183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
徐々に変わろうとしている柊哉に対する自分の気持ち。それと向き合いたくないので、馬鹿をやっている方が楽でいいと思うからだ。
「柊哉の記憶力、すごいね。一言一句、間違えてない」
「記憶力には自信がある。覚えるというより、画像や映像として脳にしまっておく感じだな。いつでも再生できる」
「スマホみたいに便利だね。ずるい能力。私もそういうのほしかった」
笑いながら羨めば、柊哉がスラックスのポケットに入れていた左手を引き抜いた。
その手はビロード張りの白い小箱を握っており、「お前にやる」と差し出す。
なぜか彼の目線はステンドグラスの方に向けられ、口調はつっけんどんだ。
「この大きさ……指輪ケース?」
受け取って蓋を開けてみると、大粒のダイヤが輝くエンゲージリングと、小粒ダイヤが五個埋め込まれたマリッジリング、ふたつが並んでいた。
真衣の目が驚きに丸くなる。
「ふたつも。もらっていいの……?」
柊哉は答える前に真衣に背を向け、説教台に片手をついた。
「一応、妻だからな。指輪くらい、いくつでも買ってやる」
素っ気ない言い方をしているが、耳は赤く、どうやら照れているようだ。
「柊哉の記憶力、すごいね。一言一句、間違えてない」
「記憶力には自信がある。覚えるというより、画像や映像として脳にしまっておく感じだな。いつでも再生できる」
「スマホみたいに便利だね。ずるい能力。私もそういうのほしかった」
笑いながら羨めば、柊哉がスラックスのポケットに入れていた左手を引き抜いた。
その手はビロード張りの白い小箱を握っており、「お前にやる」と差し出す。
なぜか彼の目線はステンドグラスの方に向けられ、口調はつっけんどんだ。
「この大きさ……指輪ケース?」
受け取って蓋を開けてみると、大粒のダイヤが輝くエンゲージリングと、小粒ダイヤが五個埋め込まれたマリッジリング、ふたつが並んでいた。
真衣の目が驚きに丸くなる。
「ふたつも。もらっていいの……?」
柊哉は答える前に真衣に背を向け、説教台に片手をついた。
「一応、妻だからな。指輪くらい、いくつでも買ってやる」
素っ気ない言い方をしているが、耳は赤く、どうやら照れているようだ。