183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
彼も確か、真衣の同期である。

(ダブルデートかよ。あの男ども、僻地に飛ばしてやりたい……)

心に渦巻くのは、明らかな嫉妬。

けれども真衣に惚れているとは言い切れない。

真衣が柊哉を好きになってくれるのなら、応えてやってもいいと思うが、自分から深みにはまるのは許せないと思っている。

学生の時から、柊哉は女性にすこぶるモテてきた。

自分に少しもなびかない真衣を、腹立たしく思う時もある。

なぜ自分が先に惚れなければならないのかと、いい男だと評されてきたプライドが邪魔をするのだ。

ひねくれ者と真衣が言うのは当たっていると、自覚はある。

(見えなくなった……。あっちの方に曲がったということは、またうどん屋か。偶然を装って、俺も食いに行くか。だがな……俺も交ぜてくれ、などとは絶対に言えない。あいつらが和気あいあいと食べる様子を見るだけなのは拷問だ。俺の不愉快さは真衣に伝えられるかもしれないが、心が狭いと思われるのは困る。仕方ない。ランチデートくらいは許してやるか……くそっ、腹立つ)

柊哉が双眼鏡を執務机に置いたら、ドアがノックされた。

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