183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
(俺たち姉弟は、このままずっと、本音を言えない関係なんだろうな……)
姉の来訪で憂鬱な気分にさせられてしまった柊哉は、執務机に座り直して仕事の続きに戻る。
昼食は、啓介に任せている。
そのうちどこかで、ふたり分の弁当を買い、ここへ来るはずだ。
副社長の食事の世話をするのは、秘書の仕事の内である。
四十分ほど静かな時間が流れたら、ドアが開けられた。
顔を上げると、入ってきたのは弁当屋の紙袋を提げた啓介と……真衣である。
思わず、「は?」と声をあげた。
なぜふたりが一緒にいるのかと、不思議に思ったからだ。
副社長室に真衣が来るのも初めてである。
いつもの生意気な雰囲気はなく、顔を赤らめてもじもじしながら、啓介に背を押されて前へ進む。
ミーティングテーブル近くで足を止めた彼女は、柊哉をチラリと見て、恥ずかしそうに視線を外した。
(まさか……)
柊哉の中に焦りが走る。
立ち上がって駆け寄り、真衣の肩を両手で掴んだ。
「おい、婚姻期間中は恋愛しない約束だぞ。いや、離婚後も啓介だけはやめてくれ。これまでのような付き合いができなくなる。俺から啓介を奪うな!」
姉の来訪で憂鬱な気分にさせられてしまった柊哉は、執務机に座り直して仕事の続きに戻る。
昼食は、啓介に任せている。
そのうちどこかで、ふたり分の弁当を買い、ここへ来るはずだ。
副社長の食事の世話をするのは、秘書の仕事の内である。
四十分ほど静かな時間が流れたら、ドアが開けられた。
顔を上げると、入ってきたのは弁当屋の紙袋を提げた啓介と……真衣である。
思わず、「は?」と声をあげた。
なぜふたりが一緒にいるのかと、不思議に思ったからだ。
副社長室に真衣が来るのも初めてである。
いつもの生意気な雰囲気はなく、顔を赤らめてもじもじしながら、啓介に背を押されて前へ進む。
ミーティングテーブル近くで足を止めた彼女は、柊哉をチラリと見て、恥ずかしそうに視線を外した。
(まさか……)
柊哉の中に焦りが走る。
立ち上がって駆け寄り、真衣の肩を両手で掴んだ。
「おい、婚姻期間中は恋愛しない約束だぞ。いや、離婚後も啓介だけはやめてくれ。これまでのような付き合いができなくなる。俺から啓介を奪うな!」