183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
「入社時に知り合って五年以上、経つんだよ。私を好きなら、とっくに告白してるでしょ。亮は好きだと言えないようなヘタレじゃないよ」

(真衣が相手じゃ、ヘタレにもなるだろ。はっきりと直球でふられそうだからな……)

思わず小林に同情してしまったが、真衣がほんの少しも男として意識していないとわかり安心した。

心に余裕ができれば、嫉妬させられたことへの仕返しがしたくなる。

柊哉はミーティングテーブルの椅子を引いて座ると、横に立つ真衣に向けて片手を差し出した。

「なに?」と言いつつ真衣が手を重ねたら、強く引いて膝の上に横向きに座らせた。

「しゅ、柊哉……」

動揺に上擦る声が、彼のサディスティックな一面を刺激する。

逃がさないよう両腕に抱きしめ、頬に口づけた。

「こ、こんなところで……。ドアに鍵をかけていないよ。須藤さんが戻ってくるかも」

「心配事はそれだけか? 俺にキスされるのは嫌がらないんだな」

「だって、ホテルのチャペルでは口にしたでしょ。頬にされた程度で焦るのは――」

「頬じゃ足りないということか? こっち向けよ。口にしてやるから」

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