183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
家族がすぐに異変に気づいたため、救急搬送から救命処置までが素早く行われ、今は会話もできる状態にあるという。
けれどもしばらくは入院し、心臓バイパス手術をしなければならず、職場復帰の見通しは立たない。
それで本人から今朝方、辞任の意向が伝えられた。
上座の席に座って、それらを説明したのは、柊哉の父である芹沢会長だ。
目や口元が柊哉と似ている。
若い頃は美男子で名を馳せ、還暦を過ぎればそこに渋みが加わり、今でも女性にモテる男だ。
リーダーシップに優れている……というより、やや独善的で自信家な性格も、頼りがいがありそうに見え、昔から女の影が絶えない理由かもしれない。
小峰社長と唯一面会できたのは会長で、経緯の説明を終えると、皆の顔を見回してから続きを話す。
「小峰社長には、治療に専念してもらいたい。辞任の申し出は受理しようと考えている。次の社長には、芹沢柊哉を推薦する。今日はそれについて、皆の意見を聞かせてもらいたい」
柊哉の席は、会長の隣だ。
とはいっても、詰めれば三十脚は置けそうな広いテーブルに、たった十四人なので、隣との間隔は二メートルほどもある。
けれどもしばらくは入院し、心臓バイパス手術をしなければならず、職場復帰の見通しは立たない。
それで本人から今朝方、辞任の意向が伝えられた。
上座の席に座って、それらを説明したのは、柊哉の父である芹沢会長だ。
目や口元が柊哉と似ている。
若い頃は美男子で名を馳せ、還暦を過ぎればそこに渋みが加わり、今でも女性にモテる男だ。
リーダーシップに優れている……というより、やや独善的で自信家な性格も、頼りがいがありそうに見え、昔から女の影が絶えない理由かもしれない。
小峰社長と唯一面会できたのは会長で、経緯の説明を終えると、皆の顔を見回してから続きを話す。
「小峰社長には、治療に専念してもらいたい。辞任の申し出は受理しようと考えている。次の社長には、芹沢柊哉を推薦する。今日はそれについて、皆の意見を聞かせてもらいたい」
柊哉の席は、会長の隣だ。
とはいっても、詰めれば三十脚は置けそうな広いテーブルに、たった十四人なので、隣との間隔は二メートルほどもある。