183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
できれば、誰も文句が言えないような実績を作り上げた上で、その座を掴み取りたかったというのが本音だが、あと十年はかかるだろう。
誰かに出し抜かれるということがないように、なれる時になっておいた方がいいとも思っていた。
自分が社長に就任した暁には、ぜひ挑戦してみたいという戦略も心に秘めている。
数分待っても反対意見は上がらず、会長が満足げな顔で会議を締めくくる。
「小峰社長がもう少し回復したら、辞任届を出してもらう。その後に正式に取締役会を開き、芹沢柊哉の社長就任の手続きに入ろう。二週間後くらいを予定しておいてくれ。新社長の挨拶もその時でいい。今日は時間に余裕がないので、以上をもって終了とする」
立ち上がった会長は、柊哉の肩をポンと叩いてから、声をかけずに会議室を出ていった。
(父さん、機嫌がいいな。自分に反対する者がいなかったからか。それとも、やっと息子に日葉を譲れる日が来たと喜んでる? いや、まだまだ引退する気はないだろう。父さんは、俺のこと、どう思っているのか……)
柊哉が子供の頃、父親は不在がちで、今よりももっと会話は少なかった。
誰かに出し抜かれるということがないように、なれる時になっておいた方がいいとも思っていた。
自分が社長に就任した暁には、ぜひ挑戦してみたいという戦略も心に秘めている。
数分待っても反対意見は上がらず、会長が満足げな顔で会議を締めくくる。
「小峰社長がもう少し回復したら、辞任届を出してもらう。その後に正式に取締役会を開き、芹沢柊哉の社長就任の手続きに入ろう。二週間後くらいを予定しておいてくれ。新社長の挨拶もその時でいい。今日は時間に余裕がないので、以上をもって終了とする」
立ち上がった会長は、柊哉の肩をポンと叩いてから、声をかけずに会議室を出ていった。
(父さん、機嫌がいいな。自分に反対する者がいなかったからか。それとも、やっと息子に日葉を譲れる日が来たと喜んでる? いや、まだまだ引退する気はないだろう。父さんは、俺のこと、どう思っているのか……)
柊哉が子供の頃、父親は不在がちで、今よりももっと会話は少なかった。