183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
解説すると、『今日の帰宅は二十一時頃』だと柊哉が伝え、『了解。夕食はしゃぶしゃぶだよ。ゴマだれとポン酢どっちがいい?』と真衣が聞き、『最初はポン酢で、飽きたらゴマだれに変える』と柊哉が答えたのだ。

(読み返すと笑えるな。省略しすぎだろ。これで通じるとは、長年夫婦やってるみたいだな……)

いつでもこんなに短いわけではない。

柊哉はトーク画面をさらに戻り、先週の日曜のものを見る。

そこには、女性もののハンドバッグの画像が三枚連なっている。

その日、柊哉は自分の衣類の買い物に、ひとりで出かけた。

たまに行くデパートのメンズファッション売り場は、柊哉が好んで着ている海外ブランドの直営店もあり、落ち着いた雰囲気で買い物がしやすい。

そこで何点か衣類を購入し、建物から出ようとしたら、一階の出入口近くの高級ブランドのテナントの前で足が止まった。

真衣に似合いそうなハンドバッグを、ショーウィンドウに見つけたからだ。

土産に買っていこうと思ったが、同じデザインのものが三色あり、画像を撮って【どれがいい?】とメッセージを送った。

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