183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
(俺の愚痴でも言いに来たのか? いや、違うな。あいつは文句があれば面と向かって俺に言う、はっきりした女だ。間に啓介は挟まない。それなら、社長就任に関してだろうか……)
小峰社長が倒れたことは、株価にも影響するため、まだ公にはできない。
真衣は一応、身内なので、口止めした上で昨夜、事情を話した。
真衣の反応を密かに楽しみにしていた柊哉であったが、それは期待外れの薄いもの。
まず真衣は小峰社長の容態を心配し、命に別状はなく会話もできると聞いて安心していた。
柊哉の社長就任に関しては、『頑張って』とそれだけである。
『もっと言葉があってもいいだろ』
『よかったね』
『まるで関心がないような言い方だな。二週間ほどしたら、お前は社長夫人だぞ。嬉しくないのか?』
『なんで私が喜ぶと思うの? あと二カ月半で他人に戻るのに。結婚は秘密でもあるし、誰に自慢しろというのよ』
確かにそうだと思った柊哉だが、あっさりしすぎの反応を残念にも感じた。
妙な空気になってしまったので、それきり、その話題には触れていない。
(そういえば、あの時の真衣、寂しそうな顔にも見えたよな……)
小峰社長が倒れたことは、株価にも影響するため、まだ公にはできない。
真衣は一応、身内なので、口止めした上で昨夜、事情を話した。
真衣の反応を密かに楽しみにしていた柊哉であったが、それは期待外れの薄いもの。
まず真衣は小峰社長の容態を心配し、命に別状はなく会話もできると聞いて安心していた。
柊哉の社長就任に関しては、『頑張って』とそれだけである。
『もっと言葉があってもいいだろ』
『よかったね』
『まるで関心がないような言い方だな。二週間ほどしたら、お前は社長夫人だぞ。嬉しくないのか?』
『なんで私が喜ぶと思うの? あと二カ月半で他人に戻るのに。結婚は秘密でもあるし、誰に自慢しろというのよ』
確かにそうだと思った柊哉だが、あっさりしすぎの反応を残念にも感じた。
妙な空気になってしまったので、それきり、その話題には触れていない。
(そういえば、あの時の真衣、寂しそうな顔にも見えたよな……)