183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
突然、現れて非難してきた女性社員に、響子は面食らったような顔をしていたが、すぐに上品で威圧的な笑みを取り戻す。
「どなた? ただの社員ではないようね。柊哉の恋人かしら?」
「企画部のただの社員です。恋人ではありません」
その言葉が柊哉の胸に突き刺さる。
けれども否定はできず、傷ついている場合でもないと、一旦頭の隅に寄せた。
「私のことより」と真衣はさらに響子を責める。
「一緒に育った姉弟なら、弟がどれだけ努力して今の地位を築いたのかおわかりになるはずです。柊哉は今も変わらず、いえ、子供の頃以上に頑張っていますよ。毎日、遅くまで。あの人は頭がいい。でも努力なくしてここまで来れるわけがないでしょう」
響子の目が鋭く細められても、真衣は言い募る。
「私にはわかるんです。柊哉の必死さが。居場所を失いたくない。自分を認めてもらいたい。そういう悲しい必死さが。あなたはお姉さんでしょう? どうして弟を蹴落とそうとするんですか!」
啓介は女性ふたりのすぐそばで静観しているだけだが、その口角は上向きだ。
真衣の言葉は、おそらく啓介も言いたかったことに違いない。
「どなた? ただの社員ではないようね。柊哉の恋人かしら?」
「企画部のただの社員です。恋人ではありません」
その言葉が柊哉の胸に突き刺さる。
けれども否定はできず、傷ついている場合でもないと、一旦頭の隅に寄せた。
「私のことより」と真衣はさらに響子を責める。
「一緒に育った姉弟なら、弟がどれだけ努力して今の地位を築いたのかおわかりになるはずです。柊哉は今も変わらず、いえ、子供の頃以上に頑張っていますよ。毎日、遅くまで。あの人は頭がいい。でも努力なくしてここまで来れるわけがないでしょう」
響子の目が鋭く細められても、真衣は言い募る。
「私にはわかるんです。柊哉の必死さが。居場所を失いたくない。自分を認めてもらいたい。そういう悲しい必死さが。あなたはお姉さんでしょう? どうして弟を蹴落とそうとするんですか!」
啓介は女性ふたりのすぐそばで静観しているだけだが、その口角は上向きだ。
真衣の言葉は、おそらく啓介も言いたかったことに違いない。