183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
立派な社が建つのは小高い場所で、鳥居から続く参道に、石階段が二か所。
参道は神様の通り道なので中央を歩いてはいけないと聞いたことがあったが、端も真ん中も多くの人が腰を下ろし、屋台料理を食べて休憩していた。
その下段の端っこに、女の子が座っていた。
白地に朝顔柄の浴衣を着た、柊哉よりひとつかふたつ年下に見える、可愛らしい子だ。
周囲に保護者の姿はないようで、ひとりで棒付きの苺飴を食べているため、柊哉は気になって声をかけた。
『ひとり? 迷子なの?』
するとクリッとした勝気な目が柊哉を見上げ、首を横に振る。
『すぐ近くのおじいちゃんの家からきたの。妹がお漏らししたから、お母さんは先に帰った』
千円を渡され、好きなものを食べたら帰っておいでと言われたそうだ。
迷子ではないと知り、柊哉がホッとしていると、女の子に痛いところを突かれた。
『お兄ちゃんもひとりだね。迷子?』
『う、うん……。親とはぐれたんだ』
年下の女の子に心配されて恥ずかしくなる。
女の子は苺飴をカリカリと噛み砕いて一気に食べてしまうと、張り切った顔で立ち上がり、柊哉の手を取った。
参道は神様の通り道なので中央を歩いてはいけないと聞いたことがあったが、端も真ん中も多くの人が腰を下ろし、屋台料理を食べて休憩していた。
その下段の端っこに、女の子が座っていた。
白地に朝顔柄の浴衣を着た、柊哉よりひとつかふたつ年下に見える、可愛らしい子だ。
周囲に保護者の姿はないようで、ひとりで棒付きの苺飴を食べているため、柊哉は気になって声をかけた。
『ひとり? 迷子なの?』
するとクリッとした勝気な目が柊哉を見上げ、首を横に振る。
『すぐ近くのおじいちゃんの家からきたの。妹がお漏らししたから、お母さんは先に帰った』
千円を渡され、好きなものを食べたら帰っておいでと言われたそうだ。
迷子ではないと知り、柊哉がホッとしていると、女の子に痛いところを突かれた。
『お兄ちゃんもひとりだね。迷子?』
『う、うん……。親とはぐれたんだ』
年下の女の子に心配されて恥ずかしくなる。
女の子は苺飴をカリカリと噛み砕いて一気に食べてしまうと、張り切った顔で立ち上がり、柊哉の手を取った。