183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
『私、毎年、ここに来てるの。迷子センターの場所、知ってるよ。連れていってあげる』と頼もしく、歩き出す。
柊哉は女の子に手を引かれるがまま、ついていったのだが……迷子センターにはたどり着けなかった。
女の子が寄り道ばかりするからだ。
ヨーヨー釣りに型抜き、くじ引きに綿飴、射的など、柊哉の財布まであてにして、自分が小遣いにもらった金額以上にちゃっかりと縁日を楽しむ女の子に、柊哉は振り回された。
しかしながらそれは、捨てられたと落ち込んでいたのも忘れるほどに楽しくて、一緒に遊んでいるうちに気づけば空には星が瞬く時間になっていた。
女の子を家に帰さないと家族が心配すると思った柊哉は、ひとりで帰れると言い張る女の子を祖父の家が見える場所まで送っていき、自分は神社へと引き返した。
その途中で、柊哉を探し回っていた母と姉と再会し、叱られるのではなく、『はぐれさせてごめんなさい』と謝られたのだ。
捨てられたわけではなかったと安心したものの、謝罪させてしまったことを申し訳なく思い、柊哉の胸は痛んだ。
けれども帰りのタクシーの車中で、思い出し笑いをしそうになった。
柊哉は女の子に手を引かれるがまま、ついていったのだが……迷子センターにはたどり着けなかった。
女の子が寄り道ばかりするからだ。
ヨーヨー釣りに型抜き、くじ引きに綿飴、射的など、柊哉の財布まであてにして、自分が小遣いにもらった金額以上にちゃっかりと縁日を楽しむ女の子に、柊哉は振り回された。
しかしながらそれは、捨てられたと落ち込んでいたのも忘れるほどに楽しくて、一緒に遊んでいるうちに気づけば空には星が瞬く時間になっていた。
女の子を家に帰さないと家族が心配すると思った柊哉は、ひとりで帰れると言い張る女の子を祖父の家が見える場所まで送っていき、自分は神社へと引き返した。
その途中で、柊哉を探し回っていた母と姉と再会し、叱られるのではなく、『はぐれさせてごめんなさい』と謝られたのだ。
捨てられたわけではなかったと安心したものの、謝罪させてしまったことを申し訳なく思い、柊哉の胸は痛んだ。
けれども帰りのタクシーの車中で、思い出し笑いをしそうになった。