183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
社屋に着くと、エレベーターホールの混雑が目についたため、三人は階段に向かう。
「おはようございます」と周囲の社員と挨拶を交わしつつ、一列になって階段を上り、前を進む亮に真衣が返事をする。
「ごめん。明日明後日はやっぱり行けないよ。今日の帰りは? 一杯くらいなら付き合える」
離婚前の最後の土日は、柊哉とできるだけ一緒にいたいと思っている。
今日の柊哉の帰宅は遅く、夕食もいらないと言われているので、妥協策として退社後を提案してみた。
すると亮は嬉しそうに了承する。
「それでいいよ。約束な。俺、残業しないよう頑張るから。じゃあな」
彼が階段を駆け上がって先にいってしまうと、後ろでボソボソと呟く和美の声がした。
「あーあ。無理だと教えてあげたのに。まぁ、玉砕した方が引きずらなくて、あいつのためにはいいのかな……」
「和美、なにか言った?」
よく聞こえなかったので、後ろをチラリと見て尋ねたら、和美が横に並んで首を横に振った。
「独り言だから気にしないで。私、今日の帰りも予定あるから付き合えないよ。亮とふたりで行ってね」
「おはようございます」と周囲の社員と挨拶を交わしつつ、一列になって階段を上り、前を進む亮に真衣が返事をする。
「ごめん。明日明後日はやっぱり行けないよ。今日の帰りは? 一杯くらいなら付き合える」
離婚前の最後の土日は、柊哉とできるだけ一緒にいたいと思っている。
今日の柊哉の帰宅は遅く、夕食もいらないと言われているので、妥協策として退社後を提案してみた。
すると亮は嬉しそうに了承する。
「それでいいよ。約束な。俺、残業しないよう頑張るから。じゃあな」
彼が階段を駆け上がって先にいってしまうと、後ろでボソボソと呟く和美の声がした。
「あーあ。無理だと教えてあげたのに。まぁ、玉砕した方が引きずらなくて、あいつのためにはいいのかな……」
「和美、なにか言った?」
よく聞こえなかったので、後ろをチラリと見て尋ねたら、和美が横に並んで首を横に振った。
「独り言だから気にしないで。私、今日の帰りも予定あるから付き合えないよ。亮とふたりで行ってね」