183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
再びため息をつきたい気分に戻された真衣は、ソファに座ってトーク画面を開く。

【やっぱ諦めきれない。チャンスが欲しい】

絵文字もスタンプもない真剣さの伝わる文面に、真衣は考え込む。

(諦めきれないと言われても困る。どう話せば、亮の熱を冷ませるだろう……)

まだ返事をしていないのに、亮が次のメッセージを送ってくる。

【今年中に契約百件取ったら付き合って】
【仕事は応援するけど、それはできない】
【もしかして、彼氏いるのか?】

いると返せばそれで諦めてくれるのかもしれないが、柊哉は彼氏ではなく夫で三日後には他人になる人。

嘘はつけず、いないと答えてから、【でも好きな人はいる】と付け足した。

(好きな人……。柊哉に恋をしないよう耐えている状況だから、これも嘘に入るのかな……)

亮はショックを受けたのか、すぐに返事をしなかった。

【ごめんね】と送信してトーク画面を閉じたが、直後に通知音が鳴る。

【そいつより俺の方が真衣を幸せにできる。最初はお試しでもいい。絶対に俺のこと好きにさせるから、頼む】

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