183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
「真衣の夫だ。俺の妻にちょっかいを出すな」
亮の驚きの声が微かにスマホから漏れ聞こえたら、柊哉が電話を切って電源も落とした。
ベッドに放り投げるように返されて、真衣は唖然として彼を見上げる。
「結婚を公にしないという約束は? 亮は友達なのに、これから私はどうやって付き合っていけばいいのよ」
「付き合わなければいいだろ。小林の想いに応えられないのだからな。お前、好きな男がいると言ってたな。そいつのことだけ考えてろ」
「立ち聞きしてたのね。ひどい。あれは断るための口実で……キャア!」
肩を手荒に掴まれ、仰向けに押し倒された。
馬乗りになる彼に真上から睨むように見下ろされて、息をのむ。
「柊哉……やめて……」
「言えよ。俺を好きだと。そうしたらやめてやる」
彼の瞳は真剣で、からかいやふざけているような雰囲気でないのはわかる。
けれども、なにを考えてそんなことを言うのかはわからない。
(嫉妬したんだと思うけど、私に惚れているからではなく、自分の所有物に手を出されたことに怒っているような気がする。それなら、私は……)