183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
真衣の頭にポンと手を置いた彼は、好青年風に微笑んで見せ、手を洗いにいってしまった。
(柊哉の笑顔、無理しているようだった。私は不自然なく笑えてる……?)
ダイニングテーブルを見た彼は、「うまそう」と喜んでくれた。
その笑みは自然に感じられ、真衣はホッとする。
「私もまだなの。一緒に食べよう」
「ああ」
向かい合って座ったふたりはゆっくりと食事をしつつ、半年前の契約結婚に至る出来事を振り返る。
「まさか、本性を知られて口止めした女が、見合いの席にいるとはな。あの時は焦っていた」
「私もだよ。性悪な上司と結婚なんて、仕事もプライベートも終わったと思った」
「お互い結婚する気はさらさらなかったのに、なんでこうなったんだ」
「おじいちゃんと絹代さんのせい。というより絹代さんの頼みを断れない柊哉のせい。そういえば、最近おじいちゃんと連絡とってないな。元気にしているかな……」
この半年間、祖父とはご無沙汰だ。
結婚生活はどうだと聞かれそうなので電話をしなかったのだが、八十過ぎの独り身の祖父の体調が急に心配になり、「電話してみる」と真衣は腰を浮かせた。
(柊哉の笑顔、無理しているようだった。私は不自然なく笑えてる……?)
ダイニングテーブルを見た彼は、「うまそう」と喜んでくれた。
その笑みは自然に感じられ、真衣はホッとする。
「私もまだなの。一緒に食べよう」
「ああ」
向かい合って座ったふたりはゆっくりと食事をしつつ、半年前の契約結婚に至る出来事を振り返る。
「まさか、本性を知られて口止めした女が、見合いの席にいるとはな。あの時は焦っていた」
「私もだよ。性悪な上司と結婚なんて、仕事もプライベートも終わったと思った」
「お互い結婚する気はさらさらなかったのに、なんでこうなったんだ」
「おじいちゃんと絹代さんのせい。というより絹代さんの頼みを断れない柊哉のせい。そういえば、最近おじいちゃんと連絡とってないな。元気にしているかな……」
この半年間、祖父とはご無沙汰だ。
結婚生活はどうだと聞かれそうなので電話をしなかったのだが、八十過ぎの独り身の祖父の体調が急に心配になり、「電話してみる」と真衣は腰を浮かせた。