183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
「こんな紙切れ一枚で、真衣を失ってたまるか」

そんな呟きが聞こえたと思ったら、背中で紙が破かれる音がした。

真衣を抱きしめながら、柊哉が離婚届を真っ二つに引き裂いたのだ。

少し体を離して仰ぎ見ると、これ以上は泣くまいと堪えているような顔の彼と視線が交わった。

「契約結婚は終わりだが、離婚はしない。お前は一生、俺の妻だ」

はっきりと未来を約束してもらえ、真衣は嬉し涙にむせぶ。

「柊哉、大好き……」

そう言った直後に、唇を奪われた。

最初から濃く深く、舌を絡め取られ、燃えるように情熱的なキスに翻弄される。

柊哉の愛情がひしひしと伝わってきて、真衣は喜びに胸を震わせた。

これまで二度、唇を合わせたことがあったけれど、愛情を確かめ合った後のキスは別物のような幸福感を与えてくれる。

それと同時に、欲情も掻き立てられた。

冷たい雨に打たれているというのに、真衣の体の芯は火照りだし、柊哉の息も熱く荒くなっていく。

けれども濃い交わりの最中に、突然唇を離されて、上気した顔の柊哉が色のある声で言う。

「このまま続けたら、ここで抱いてしまいそうだ。帰ろう。俺たちの家に」

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