183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
(帰ったら……初夜、なのかな……)

思わず真衣が頬を赤らめて目を泳がせると、深いため息をつかれた。

「頼む。家に帰り着くまではサバサバした態度でいてくれ。堪えるのが大変だ」

先ほどはサッパリと割り切った態度だと非難され、今度はサバサバしていてくれとは、おかしなことを言うものだ。

いつもならすかさず指摘を入れるところだが、恥じらいの最中にいるため、真衣は素直に頷く。

愛しさに胸を高鳴らせ、肩を抱かれて車へと誘われるのであった。


それから十分ほどして、ずぶ濡れで帰宅したふたりは、玄関の上り口に荷物を置くと、どちらからともなく抱き合って唇を合わせた。

我慢の限界というように、柊哉の手が真衣の体をまさぐり、コートやオフィススーツを脱がせていく。

一枚一枚、服を落としつつ廊下を進み、柊哉の寝室へ。

ここは二十五階。レースのカーテン越しに、雨に霞む都会の夜景が見える。

広さは十二畳ほどと、真衣には贅沢に感じる部屋の中央に、クイーンサイズのベッドが置かれていた。

ベッドランプだけを灯し、キスをしながら真衣をベッドに押し倒した柊哉が、上半身の肌をさらして覆いかぶさる。

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