183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
バルコニーの漆喰の壁の前に観葉植物のプランターが趣味よく並べられており、中庭のようだ。

それを眺めながら真衣は、シャワーを浴びている。

時刻は七時十分。

起きてすぐにシャワーを浴びて頭をスッキリさせ、それから出社の支度をするのが真衣の習慣である。

(朝日に輝く緑を眺めながらのシャワー。贅沢だよね。リゾートホテルのバスルームみたい)

気持ちよくシャワーを浴びることができる素敵な浴室だとは思うが、貧乏性なので、日常にここまで贅を尽くすのはもったいないとも感じる。

浴室の棚には、柊哉のシェーバーや男性用のシャンプーやボディソープが置かれていた。

彼の住まいであるから当然なのだが、それらを見ると、くすぐったいような不思議なような、落ち着かない気持ちにさせられる。

(男の人と一緒に暮らすの、初めて。前に付き合っていた人と別れたのは三年前。それからは恋さえしていなかったのに、結婚したなんて変なの……)

一緒に暮らしているのだから結婚した実感はあるけれど、しっくりこない。

お互いに恋愛感情のない契約結婚なので、仕方ないのかもしれないが。

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