183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
「夕食は別々でと言われていたのに、勝手に作ったのは私だよ。気にしなくていい。残ったら休日の昼食にでもしようと思ってたし。万が一、柊哉がお腹を空かせて帰ってきた時に、自分の分だけ作って食べたというのが気分的に嫌だったの。それは私の気持ちの問題で、柊哉のためじゃない。勘違いしないで」

申し訳なさそうな彼の心を、軽くしてあげようと思っての発言ではなく、それが真衣の本心である。

柊哉の眉間の皺は解け、感心したようなため息をこぼした。

「お前って、さっぱりした性格だよな」

「うん。よく言われる」

ともすればキツイ女だと思われてしまうが、真衣と付き合いの長い友人たちは、裏表のない、はっきりさっぱりした真衣の性格を好意的に見てくれる。

柊哉は止めていた箸を動かし、ドレッシングをかけたブロッコリーを食べる。

「茹で方が絶妙」と褒めてから、クスリと笑って真衣に視線を戻した。

「俺の中の、女の概念が変わった。食べてもらえないのは悲しかったけど、気を使わせたらいけないと思って言えなかった……的なことを涙ぐみながら言うのが女だと思ってた」

「健気なタイプじゃなくてごめんね」

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