183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
あえて横柄な態度で足を組み、ソファの背もたれの縁に片腕をのせて虚勢を張った。

本心を隠すために、だ。

(真衣はきっと怒る。また喧嘩になってしまうな。だが、さっぱりした性格のこいつなら、明日には普通に戻っているだろうし、気にしなくていいか)

ところが真衣は、言い返してこなかった。

真顔でじっと見つめてくるから、柊哉は戸惑う。

(まさか、傷ついたのか? 真衣なら平気かと思ってしまった。これは俺が悪い。早く謝らないと……)

柊哉の口元からひねくれた笑みは消え、心の中で焦りだす。

けれども真衣が無言でいるのは、傷ついたためではないようだ。

まじまじと柊哉の顔を見てから、彼女の桃色の唇が開いた。

「柊哉は自分のこと、いい男だと思ってたんだ……」

「は?」

「客観的な評価を知っておくことも必要だと思うから教えてあげる。柊哉は、いい男じゃないよ。顔はイケメンで社会的地位もお金もあるから、モテてきたんだろうけど、性格は悪いと思う。偉そうだし、自分勝手だし、頑固でひねくれた面もあるよね。外面だけいいのも問題。女は馬鹿じゃないから、柊哉の本性知ったら、きっと離れていく」

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