183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
「お前は――」
面と向かって悪口を言う奴がいるかと、柊哉は驚き呆れている。
その直後になぜか清々しい気持ちが胸に広がり、おかしくなって声をあげて笑った。
「な、なに?」
「いや、気持ちいいほど、はっきり言うと思ってさ。俺は腫れ物に触るように話されるのが嫌いなんだ。だから、お前のその性格は気に入っている。そのままでいろよ」
幼馴染の啓介と話している時と、似たような気分になる。
啓介は、柊哉が全てをさらけだせる唯一の存在だ。
小二で実母が亡くなり、引越しと転校を余儀なくされて一度は友人関係が切れたが、数年後に偶然ショッピングモールで再会し、それからは頻繁に電車に乗って会いにいくようになった。
中学から大学まで私立の有名校に通い、そこでも一緒だった。
その長年の付き合いの親友とふたりでいる時のような癒しを、柊哉は真衣にも感じていた。
それに気づくと、もっと真衣に近づきたくなる。
腰を上げた柊哉は、真衣の座るひとり掛けソファの横に立ち、背もたれに片手を突いて、至近距離から彼女を見下ろす。
口の端が自然と上を向いた。
面と向かって悪口を言う奴がいるかと、柊哉は驚き呆れている。
その直後になぜか清々しい気持ちが胸に広がり、おかしくなって声をあげて笑った。
「な、なに?」
「いや、気持ちいいほど、はっきり言うと思ってさ。俺は腫れ物に触るように話されるのが嫌いなんだ。だから、お前のその性格は気に入っている。そのままでいろよ」
幼馴染の啓介と話している時と、似たような気分になる。
啓介は、柊哉が全てをさらけだせる唯一の存在だ。
小二で実母が亡くなり、引越しと転校を余儀なくされて一度は友人関係が切れたが、数年後に偶然ショッピングモールで再会し、それからは頻繁に電車に乗って会いにいくようになった。
中学から大学まで私立の有名校に通い、そこでも一緒だった。
その長年の付き合いの親友とふたりでいる時のような癒しを、柊哉は真衣にも感じていた。
それに気づくと、もっと真衣に近づきたくなる。
腰を上げた柊哉は、真衣の座るひとり掛けソファの横に立ち、背もたれに片手を突いて、至近距離から彼女を見下ろす。
口の端が自然と上を向いた。