183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
リッチで爽やかな好青年という、柊哉の表の顔に似合う車である。
『私には高級車のよさがわからないよ。動けば軽自動車でもいいと思う』
出発時に真衣にそう言われたが、彼女は今、助手席で快適なドライブを楽しんでいた。
「この車、乗り心地がいいね。早朝は道路が空いていて最高。柊哉、海が見えたよ! 窓、少し開けていい?」
柊哉はスイッチ操作で半分ほど窓を開けてやり、注意する。
「危ないから顔は出すなよ」
「子供みたいなことはしないよ。海の香りがする。あ、海鮮丼だって。今通り過ぎた小屋みたいなお店の看板に書いてあった。食べようよ」
「開店前だろ。帰りでもまだ開いてないな」
「えー」と残念そうな真衣をチラリと横目で見た柊哉は、すぐに視線を前方に戻し、フッと口元を緩めた。
「笑った?」
「ああ。無邪気だと思って。お前、ショッピングはやる気がなかったが、ドライブは好きなんだな。今度は墓参りじゃなく、レジャー目的で景色のいい場所を走ってやるよ。道中に気になる店があれば立ち寄ろう」
「本当? 嬉しい。今日の柊哉、夫っぽい」
『私には高級車のよさがわからないよ。動けば軽自動車でもいいと思う』
出発時に真衣にそう言われたが、彼女は今、助手席で快適なドライブを楽しんでいた。
「この車、乗り心地がいいね。早朝は道路が空いていて最高。柊哉、海が見えたよ! 窓、少し開けていい?」
柊哉はスイッチ操作で半分ほど窓を開けてやり、注意する。
「危ないから顔は出すなよ」
「子供みたいなことはしないよ。海の香りがする。あ、海鮮丼だって。今通り過ぎた小屋みたいなお店の看板に書いてあった。食べようよ」
「開店前だろ。帰りでもまだ開いてないな」
「えー」と残念そうな真衣をチラリと横目で見た柊哉は、すぐに視線を前方に戻し、フッと口元を緩めた。
「笑った?」
「ああ。無邪気だと思って。お前、ショッピングはやる気がなかったが、ドライブは好きなんだな。今度は墓参りじゃなく、レジャー目的で景色のいい場所を走ってやるよ。道中に気になる店があれば立ち寄ろう」
「本当? 嬉しい。今日の柊哉、夫っぽい」