大切な人達よ
「澪華!!!」

突然大きな声がして生徒会全員が振り向く、


声の主は顔を強張らせながらも凛とした決心した顔をしている梓


その顔に今から言うことを理解したのだろう
さっきまでうるさかった生徒会の皆にも緊張が走る


一番緊張しているのは顔には出していないけど
澪華だろう。


それでも絶対に顔には出さないそれが生徒会長だ。

「何?梓」
できるだけ優しい顔をしようとしているのだろう。


相手の不安を消すような優しい表情を作る澪華に安心したのかちょっとだけ梓の声のトーンが高くなった。


梓は1回目を閉じた後ばっ、と頭を下げる

これには澪華以外の奴等も驚いていた


そりゃそうだ、いつもは意地っ張りの梓が頭を下げてるんだから、でも裏を返せばそれだけ梓にとって澪華が大切な人だと言うことだ


梓は頭を下げながらごめんね、と言った


「澪華ごめんさっき言い過ぎたわ。
でもそうでもしないと皆転校の件なにがなんでも阻止しようとするとおもって。
私は澪華の事が大好きよ、大事な大事な親友なの!」


すると澪華はパッ、と花が咲いたような笑顔になる。


「よかったわ!梓に嫌われたらどうしようかって本気で悩んでたの、でもなんで私を桜坂高校に転校させたいの?」


それは澪華だけでなく生徒会皆が思っていることだった。

すると梓は悲しい顔をして

「私はたくさん澪華に助けられてきたわ、

私にとって澪華は世界で一番憧れの人なの、

それは多分華ノ宮高等学校の生徒皆が思っていることだと思うわ、その中でも生徒会はとびきり澪華に憧れてるの」


それは当たり前だ、自分の高校のトップには誰もが憧れと言う感情をもつだろう


「でも私たちは友達よ助けて欲しいんだったら助けてあげるし弱音を吐きたいならはいて欲しい、」


友達と言う言葉に異様に反応している人が計3人。


好きな人の友達扱いされたら複雑な気持ちなんだろうな。


だけどそんな事お構いなしに梓は話を進める


「でも澪華と私達は生徒会では上下関係もあるし、私たちが澪華に憧れていることを澪華は知っているだから弱音を吐けなくなっているでしょ?

だったら上下関係のない人達のそばでだったら弱音も吐けるんじゃないかってじゃなきゃ、」

その言葉を聞き梓が次に言う言葉を理解した


分かっていた事だった、、


澪華とずっと一緒にいるおれたちにはだから早く澪華を“あの事”から救ってあげたくて。
< 18 / 34 >

この作品をシェア

pagetop