大切な人達よ
個室に移動した俺らは扉を閉めて席についた。


この店にももしかしたら他の高校の生徒がいるかもしれないからな~。


澪華は先に運ばれてきたアイスティーを一口飲んで口を開いた。


「じゃあ本題に入るわね。」

どんな反応するか楽しみだな。


「うん、でも俺の学校まで来て話したい事ってよっぽどのことなんでしょ?」

さすが澪華の弟。先を読んでるな~。


ホントこの兄弟だけは敵にまわしたくないじゃねぇの。

「ふふっ、さすが話が早いわ。これだったら「お~いオムライスとスパゲッティー持ってきたぞ~。」私が転校しても大丈夫そうね。」


「「はぁっ?」」

あっ、二人ともフリーズしちゃったじゃねえの。

司さんもタイミング悪く聞いちまったし。


「おーい。大丈夫~?こりゃ駄目だ。」

「「どう言うことだよ!伊吹!」」

何でそこで俺を呼ぶんだろうね~。


めんどくさっ、ゴホンゴホンッ。


「えー、そのままの意味じゃねぇの。」

「あ?じゃあお前ら転校すんのか?」


何で生徒会全員が転校することになってんのかね~。

いや、ホントは澪華の事心配だし行きたいけどよ~。


「違うんだな~。澪華一人で桜坂高校に転校することになっちゃってさ。いや~参った参った~。」


何てオチャラケ感全開で言うと零が真っ黒い笑顔で近づいてきた。


「おい、何だ転校って、しかも何で澪華一人なんだよ。あぶねぇだろーが。」

わー、ブラック零ちゃん怖~い。


「でも~、零ちゃんのマミーが指示出したんだよ~、零ちゃんにあの人止められるの~?」


すると、苦い顔をする。


まぁ、零ちゃんはあの人のせいで嫌な思いばっかしてるしな~。かわいそ。
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