大切な人達よ
「けど、澪華は。」「零、決まった事なのよ。」「っ、」あーあ。そんな強く言っていいのかね~。


絶対後悔すると思うけどな~。

まっ、落ち込んでたら慰めてあげるけどよ。


「澪華、その言い方は駄目だろ。分かってるんだろ。」

「司さん。俺は別にいいけど。」


あらら。零強がってるじゃねぇの。

涙目で言っても説得力ないんだよな~。


「零。今の言い方はダメだったわ。ごめんなさい。」

「ちがっ、“姉ちゃん”俺は傷ついてないよ。」

バッチリ傷ついてたじゃねぇの。


「零。別に私は、」「ただ!ただ心配なだけで。あのときの澪華の事を思い出しちゃって。」


“可笑しいよね。あのとき一番苦しんだのは姉ちゃんだったのに”と零は消え入りそうな声で言った。


すると澪華は少しだけ頬を緩めた。


そして首を傾げて「零。心配してくれたの?」

と零に聞いた。

「当たり前じゃん。俺は姉ちゃんが世界で一番好きだし。」


わぁ、サラッとすごいシスコン発言してるじゃねぇの。

「ありがとう。零。でも私今回の出来事で変われないかと思ってるの。だから。」


ちょっと不安そうに零を見上げる澪華の言いたいことがわかったのか


「うん。行ってきなよ。それが姉ちゃんのやりたい事なら俺は反対しない。」


“心配はするけどね”とあざとく笑っている零。


やっぱ零は自分の顔が整ってるのは分かってるじゃねえの。お姉さんの方は全く無自覚だけどな~。
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