大切な人達よ
すると澪華は生徒会長だけが座れる椅子に座り、春馬もいつの間にか起きて澪華の隣に座っている。


私も副会長と副会長補佐しか座れないソファーに座る。


それを確認した澪華は


「それじゃあ皆集まったことだし、大事なお話
をしましょう」
と、どこまでも深い真っ黒な瞳で私達を
見据えながらそう口にした。


「大事な話?」


私がそう口に出すとええ、と澪華が僅かに口角をあげた。


それに恭哉以外の男が真っ赤な顔をして、澪華から顔をそらす。


でも、そんなこと気にしてないように話を続けた。

「私、桜坂高校に転校することになったわ、」


爆弾発言を告げて、、、



最初に声を上げたのは春だった

「なにそれ、どういうことなの?澪華、」


それに澪華は微笑みながら「理事長命令なのよ、」と口にした。


”華ノ宮高等学校の理事長“

それは誰もが一度は聞いたことのある人のことだ


だって、、、


「お母さんがそういうんだもの、しょうがないわよね」


花園財閥の、“花園 澪華”の大事なお母さんなんだから


しかも、この町を数年前に丸ごと買い、この町に五つの高校を作ってこの町を豊かにしたこの町の所有者なのだから


後、澪華と正反対の変人美女なのよ


「俺、理事長に話してこうじゃないの~」


口角は上がっているが、目の奥は笑っていない
あの歩くヘンタイも今回ばかりは怒ってるのね。

そんな歩くヘンタイのあとにゾロゾロと私と澪華以外が着いていく。


それに気づいた春が「二人は行かないの?」ときく。


それに私は「澪華と話してから来るわ、」
と、微笑みながら言った。


それに「わかった」といい、生徒会室のドアを閉めた。


それを確認し澪華を見てみる。


すると澪華は「話ってなにかしら?」といってきた。


私は柄にもなく緊張しながら「澪華は転校したいの?」
と聞いてみると


「別に今回のは仕事だから拒否する理由がないのよ」と、微笑みながらいう。


「じゃあ、私が行かないでって言ったら行かないの?

春が、春馬が、恭哉が、あの歩くヘンタイが行かないでっ

て言ったら行かないの? それを理由にすれば転校しなくてすむんでしょう?」


そういうと

「ごめんなさい、言い方が悪かったわ

私はこの華ノ宮高等学校の生徒会長として

行かなければならないのよ、仕事としてじゃなくて、この高校生徒会長として、ね?」
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