元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する

試練

瑠衣の父に挨拶をすませた翌日。

瑠衣に誘われて仕事帰りに杏奈は瑠衣の運転する車に乗っていた。
どこに行くのかわからない杏奈を見て、いたずらに笑う瑠衣。

車が停まったのは大きなビルの地下駐車場だった。

「ここって」
「結婚指輪、選びに来た。」
そう言って運転席からおりた瑠衣は助手席の扉を開けて、杏奈に手を指しだす。

「行こう」
「え？」
「店、予約してあるんだ。杏奈の好きなブランドだったろ？」
このビルに入っているブランドを杏奈はよく知っている。

昔付き合っていた時に、瑠衣に何度か話をしたことがある。
結婚をしたらこのブランドの結婚指輪を薬指にすることが夢だと。