元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
少しすると杏奈から体を離して瑠衣が微笑んだ。
「ごめんな。心配かけて。でも、きっと大丈夫だから。」
そう言って杏奈を安心させようとする瑠衣に杏奈は精一杯微笑んだ。
「明日、お弁当作ってきますね。愛情たっぷりの手作り弁当。楽しみにしていてください。」
「わかった。楽しみにしてる。」
瑠衣の表情も少し和らぐ。


結局、杏奈は瑠衣からタクシー代を渡された。
そのお金で杏奈は深夜まで営業をしているスーパーで食材を買い、朝方までお弁当の下ごしらえをした。

広い瑠衣の部屋。
いつもこの部屋にいるときは瑠衣と一緒だったからこそ、杏奈は寂しさを感じずにはいられなかった。
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