元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
「いつか俺たちに子供ができたらさ、その時役に立てる父親になりたいじゃん。今はその修行だ。」

二人は結婚式と新婚旅行が終わってから子供のことを考えようと話していた。

子供は一人ではなく三人は欲しいという瑠衣。
杏奈も一人っ子はかわいそうだから兄弟をつくってあげたいと思っている。
そう考えるとあまり年齢の余裕はないものの、二人の時間も大切にしたいというのが二人の考えだった。

「もう十分だよ」
料理している瑠衣の背中に抱き着きながら杏奈が言うと「まだまだ」と瑠衣は笑った。

杏奈の言葉は本心だ。本当に瑠衣はいい父親になれると思う。
優しく子供を包み込める父親になれる。そう確信している。

「今日のメニューは?」
「男のチャーハンと男のスープ」
「ふふっ。名前が胡散臭い」
「ばか。味はきっとうまいはずだ。」
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