元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
瑠衣がかなり焦ってくれている分、反対に落ち着ける杏奈。

結局髪をしっかりと乾かして厚着をしてから瑠衣はドラックストアへ向かった。

妊娠検査薬を買いに行った瑠衣。
男性が一人で買いに行くのは恥ずかしくないのかと杏奈は瑠衣が部屋を出てから思った。

ひとりになった部屋。
瑠衣は出ていく前にももう一度杏奈に動くなとくぎを刺して、使いそうな物はすべてソファの前の机に並べていった。

ティッシュにエアコンやテレビのリモコン、携帯電話、モバイルバッテリー、お菓子、追加のお湯・・・机にびっしりと並んでいるものを見て、杏奈は再びふっと笑った。

そして、杏奈はそっと自分のお腹に触れた。

本当にここに新しい命が宿っているのだろうか。
瑠衣と自分の・・・赤ちゃん・・・ここにいるの・・・?

ふと心の中で語り掛けながら、杏奈は少しお腹が温かいような気がした。
< 311 / 330 >

この作品をシェア

pagetop