元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
ソファに座らせて泣いている杏奈のお腹に毛布を掛けると、横に座り肩を抱く。
出かける前に机に机に置いていったティッシュをとり、杏奈の瞳から次々に流れる涙をふく瑠衣。

「明日病院に一緒に行こう。ちゃんと診てもらおうな。」
何を言っても泣きすぎて話ができない杏奈は頷く。
泣きすぎる杏奈の体を気遣いながら背中をさする。
「ちょっと落ち着け。」
「・・・無理だよぉ・・・」
「だよな。俺も落ち着いてない。にやける。本当にうれしすぎてやばい。」
「・・・うれしい」
徐々に落ち着いた杏奈。
自分のお腹に手をあてる。

「不思議だけど…感動・・」
「俺も触りたい」
瑠衣が杏奈のお腹に触れる。
「ここにいるんだな」
「うん」
「どんな感じ?」
「なんか感じる?」
「・・・うんん」
二人はしばらく杏奈のお腹に触れながら男の子か女の子か、病院はどこにしようか、父への報告はいつにしようかなど、未来に胸を膨らませながら話をした。
< 314 / 330 >

この作品をシェア

pagetop