元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
「でも、瑠衣の負担を増やすだけだし・・・家のパソコンを」
「杏奈」
「・・・」
焦る杏奈を止めるように低い声で言う瑠衣。
「大丈夫。杏奈はこんなに痛い思いして、これからいろいろ制限が出てくるだろ。俺が背負えるものは背負わせろよ。出ないといたたまれないだろ」

瑠衣の言葉に杏奈は少し納得がいかないまま黙る。

「納得してない顔だな。」
「だって・・・・」
「いいからゆっくり休め。」

杏奈の頭を撫でながら瑠衣が優しく微笑む。
「大丈夫。大丈夫だから。少し寝たほうがいい。」
「・・・うん・・・」

何とも言えない気持ちのまま、杏奈は目を閉じた。
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