元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
出産が近い杏奈を気遣い、在宅でできる仕事を増やしいつ出産を迎えても大丈夫なように準備をしていた瑠衣。
深夜に始まった陣痛は微弱陣痛で、なかなかお産が進まず杏奈は丸2日間、5分間隔の陣痛に耐えた。瑠衣もほとんど眠れていない杏奈に付き添って全く寝ないままお産にずっと付き添った。

お互いに母を失っている二人。お産の時に母がいないことで不安であろう杏奈を支えるために瑠衣はできることを全力で行いサポートしてくれた。

「これが二つ目の試練かもな。」
という瑠衣の言葉に、杏奈は痛みと眠気でもうろうとしながら瑠衣の手を握り続けた。

そして、無事に元気な男の子を出産した杏奈。

二人で涙を流しながら生まれたばかりの我が子を真ん中に抱きしめあったことは一生忘れられない瞬間になった。


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