音楽を捨てた理由
煌めくスポットライトの真ん中に立ち、村松心音(むらまつここね)は歌っていた。大勢の人が心音の歌を、心音とステージに立っている仲間の歌を目を輝かせて聴いている。
「それでは最後に、みんなでこの曲を歌いたいと思います!stepper!」
明るい音楽が鳴り響き、心音たちステージに立った者は笑顔で歌い出す。しかし、その笑顔も優しさも、いつからかこのステージに立っている間だけのものになってしまった。
いつからか、心音は独りになってしまったのだ。
「ーーーね!心音!!」
揺さぶられ、心音は目を覚ます。目を開けた刹那、心音の頬を涙が伝った。知らぬ間に泣いていたのだ。心音のことをパジャマを着た癖っ毛の黒髪の男性が心配げに見つめる。
「またうなされていたよ。大丈夫?」
「平気だよ、森尾。またあの時のことを夢に見ただけ」
心音は同棲している彼氏の中野森尾(なかのもりお)に言い、ベッドから起き上がる。そして顔を洗うために洗面所へと向かった。
「それでは最後に、みんなでこの曲を歌いたいと思います!stepper!」
明るい音楽が鳴り響き、心音たちステージに立った者は笑顔で歌い出す。しかし、その笑顔も優しさも、いつからかこのステージに立っている間だけのものになってしまった。
いつからか、心音は独りになってしまったのだ。
「ーーーね!心音!!」
揺さぶられ、心音は目を覚ます。目を開けた刹那、心音の頬を涙が伝った。知らぬ間に泣いていたのだ。心音のことをパジャマを着た癖っ毛の黒髪の男性が心配げに見つめる。
「またうなされていたよ。大丈夫?」
「平気だよ、森尾。またあの時のことを夢に見ただけ」
心音は同棲している彼氏の中野森尾(なかのもりお)に言い、ベッドから起き上がる。そして顔を洗うために洗面所へと向かった。
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