音楽を捨てた理由
初めてこの美容室に来た十代後半の女性に心音は笑顔で挨拶をする。女性もニコリと笑ってくれた。
「今日はどのようにカットしますか?」
「ん〜……。ショートカットにしてください!今度、ライブに行くので推しの好きな髪型で行きたいんですよ」
そう言い、女性は歌い手が好きであるということを話し始めた。心音は自分がハルだったとバレないかドキドキしながらハサミで髪をカットしていく。
「女性だったらハルって歌い手さんが好きだったんですけど、引退しちゃったんですよね〜……」
そう残念そうに女性が言い、心音は「そうなんですか」と言いながら胸が苦しくなった。自分のことをまだ好きでいてくれる人がいる、そう思うと心が揺れる。でも、あの場所へはもう戻れないのだ。
「でも、今って歌い手界がかなり荒れてるんですよね〜……」
女性のその言葉に心音は「そうなんですか?」と驚く。歌い手に関することなどはもう一切目に入らないようにしていた。
「今日はどのようにカットしますか?」
「ん〜……。ショートカットにしてください!今度、ライブに行くので推しの好きな髪型で行きたいんですよ」
そう言い、女性は歌い手が好きであるということを話し始めた。心音は自分がハルだったとバレないかドキドキしながらハサミで髪をカットしていく。
「女性だったらハルって歌い手さんが好きだったんですけど、引退しちゃったんですよね〜……」
そう残念そうに女性が言い、心音は「そうなんですか」と言いながら胸が苦しくなった。自分のことをまだ好きでいてくれる人がいる、そう思うと心が揺れる。でも、あの場所へはもう戻れないのだ。
「でも、今って歌い手界がかなり荒れてるんですよね〜……」
女性のその言葉に心音は「そうなんですか?」と驚く。歌い手に関することなどはもう一切目に入らないようにしていた。