捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
過去の夢と独占欲
――その日、また私は社長の神立涼さんに呼び出されていた。

 毎回恐縮してしまうほど立派なレストラン。仕事の気配を濃厚に残したスーツで来てしまってもいいのだろうかと、いつも緊張する。

「すみません、お約束の時間より遅くなってしまって」

「残業が多いと言っていたな。いつもなんの仕事をするために残っている?」

「営業をかけたクライアントをまとめたり、経理に出すための領収書をまとめたりですかね。あとは後輩のバックアップにも入らなければならないので、週明けに備えていつも金曜日にやるんです。それと新作の確認と……」

 ついさっき済ませてきた仕事を頭の中で数えながら伝える。

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