捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 問題は私だった。

「反省してるみたいだし、普通の夫婦として落ち着いちゃえば?」

 仕事の休憩中、カフェオレを飲みながら芽衣子が言う。

「ちょっと。絶対許さない相手なんじゃなかったの?」

 グーで殴ると言っていた芽衣子の心変わりにどきっとしながら、強がってそう答えてみた。でもたぶん、芽衣子は私の今の複雑な気持ちを見抜いている。

「翠にしたことは許さないけど、一応父親としての義務は果たしてるじゃない? 生活費だって入れてくれてるし」

「……ちょっと多すぎるけどね」

「これまでの迷惑料ってとこでしょ」

 私もさっき淹れた紅茶に手を伸ばす。

「父親としては問題ないと思うよ。でも……」

「あんたの気持ち次第、って感じね」

「だって、今更ちゃんとした夫婦になれるとは思えない」

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