捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 名前を呼んだだけなのに牽制される。思えば、久し振りに会った夜もこんな感じだった。

「あ……ゃっ……」

 心が攫われそうになって怖くなる。唇に繰り返し与えられるぬくもりは私の心の弱い場所を的確に突いてきた。

 息ができないほど隙間なく唇を重ねられ、舌を絡められる。空気を求めて息をしようとすれば、後頭部を強く抑え込まれた。

 そんな荒く激しいキスをしながら、服の上から身体に触れられる。鳴でもそんなに遠慮のない手つきで触れてこないのに、この人は違っていた。

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