捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「今までちゃんと話したことはなかったと思うけど、うちは母子家庭なの。小さいときに両親が離婚して」

 私が告げた住所を登録すると、涼さんは車を走らせ始める。

「……たしかに聞いたことがないな」

「そういうの、興味ないでしょ」

「…………」

「芽衣子の名前だって覚えてなかったぐらいだもんね。むしろよく鳴をすぐ覚えたなって感心しちゃった」

「鳴のことは好きだからな。お前に似てかわいい」

「……それはどうも」

 黙ったまま聞いていてくれればいいのに、なぜか突然褒められてしまった。恥ずかしく思いながら、話を元に戻す。

「うちの母親は……芽衣子が言うには最低の親なんだって。私は搾取子って言うらしいよ」

「なんだ、それは」

< 244 / 462 >

この作品をシェア

pagetop