捨てられママのはずが、愛し尽くされています～冷徹社長は極上パパ～

「好きだから誘われてうれしかったし、なるべくスケジュールも開けようって思ったんだなって。あと……涼って呼ばれたいって言ってくれたときが一番きゅんとした」

「へえ」

「……もしかしてどうでもいいと思ってる？」

「いや、照れくさい」

　驚いて涼さんを見ると、たしかにちょっとだけ気まずそうな顔をしている。赤くはならないところが悔しいけれど、これはこれで珍しかった。

「……信じられないかもしれないけど、結構好きなんだよ」

「それは俺も同じだ」

「……うん、そうだね」

　もし、再会してからの期間がなければ、こうして穏やかに話せなかったかもしれない。心を許していなければ、また涼さんに反発して拒んでいたかもしれない。過ごしてきた時間は無駄ではなかったのだと実感する。