捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「あんた、そんなことだけ言いに来たの? 久々に母親に会いに来てそれだけ? 普通手土産のひとつでも用意するものなんじゃない? だからあんたみたいな子は家から出ちゃいけないのよ。昔っから愚図で迷惑ばっかりかけて……。ああでも社長と結婚できたのはあんたの唯一の親孝行よね。そろそろこの家も古いし、デザイナーズマンションって言うの? ああいうのに住んでみたいと思ってたんだけど。そうねえ、お風呂はジャグジーがいいわ。あと、家政婦がいるのもいいわよね。家のことをなんでもやってくれる人。それから……」

「黙って聞いていれば、ずいぶんと好き勝手言うものだな」

 なにも言えずにいた私の代わりに、とうとう涼さんが口を開く。

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