捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
興奮で頬を紅潮させた母が叫ぶ。
その熱を冷ますように、涼さんが冷静に告げた。
「リークしても構わないが、その前に俺がお前を訴える」
「は……?」
ぽかんと母が目を丸くする。そんなことをされるとは思ってもいなかった、という顔だった。
「週刊誌の連中もまとめてそうするつもりだ。してきたことは恐喝だからな」
「なっ……」
「弁護士を雇いたいなら今のうちに用意しておけ。うちの法務に勝てるとは思えないが」
「あ、あたしは翠の母親なのよ!? 身内に犯罪者がいることになったら、翠だって肩身の狭い思いを――」
「だから、今回は見逃してやる」
言い聞かせるようなゆっくりした話し方は、さすがの母にも効いたらしい。