捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
――どんなに複雑な感情を抱いていようと、どう思われていようと、家族なのだから。
そう期待して、化粧台の上に置かれた時計に目を向ける。
もうすぐ、楽しみにし続けていたその瞬間がやってくる。
世界で一番幸せな花嫁になるまで、あと少し――。
三年前の忌まわしいあの日に起きたことを思い出し、思わず声を上げていた。
口元を押さえて、涼さんを見る。
「あのとき……聞いていたの?」
涼さんは黙って頷いた。
母への電話のあと、私はおとなしく控室で待ち続けた。そのあとに自分が捨てられてしまうとは思いもせずに。そしてなぜ捨てられてしまったのか、その理由もわからないまま三年を過ごすことになったのだ。
「私……」
再会してから涼さんは私にどう接していただろう。
そう期待して、化粧台の上に置かれた時計に目を向ける。
もうすぐ、楽しみにし続けていたその瞬間がやってくる。
世界で一番幸せな花嫁になるまで、あと少し――。
三年前の忌まわしいあの日に起きたことを思い出し、思わず声を上げていた。
口元を押さえて、涼さんを見る。
「あのとき……聞いていたの?」
涼さんは黙って頷いた。
母への電話のあと、私はおとなしく控室で待ち続けた。そのあとに自分が捨てられてしまうとは思いもせずに。そしてなぜ捨てられてしまったのか、その理由もわからないまま三年を過ごすことになったのだ。
「私……」
再会してから涼さんは私にどう接していただろう。