捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 ――必要なんだろう、金が。ほかになにが欲しい。

 ――そうだな。金ならある。

 ――こういうものも、これからは好きなように買えばいい。

 ――また、金欲しさにやったのか。

 「許さない」と言われる前にも、私はお金の話をしていなかったか。冗談のつもりだったけれど、結婚式の日の電話を聞いていたのだとしたら、どこまで冗談だと受け取られただろう。

 本心だと思われたのだとしたら、許さないと態度を変えたのも納得がいく。

(涼さんはずっと私に『お金』の話をしてた)

 だから私を「俺のものではなかった」と言い、あんなことを尋ねたのだ。

 ――お前は俺を愛していたのか?

 あれがどういう意味だったのか、ついに理解する。

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