捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「……もっと、私を責めていいのに」

「お前の方が傷付いたのに、か」

「私は……」

 その先が言えなくて喉が詰まった。

 手を握っていたぬくもりが離れて、私の頭を抱き寄せてくる。その手に甘えて従うと、広い胸に押し付けられた。温かくて心地よくて、ますます泣きたくなってしまう。

「私が傷付いたのは自業自得じゃない……」

「もういい」

「ちゃんと責めて、怒ってよ……」

「そうしたかったのは最初だけだ。また会えてうれしい気持ちの方が強かった」

「なんでそんなに優しくするの……」

「好きだからだな」

「っ……」

 打てば響くように私の欲しい言葉ばかりが返ってくる。甘える資格なんてあるのだろうか。でも、その優しさに抗えない。

「……ごめんなさい」

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