捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「一生許してやらないから、ずっと俺の妻でいろ」

「それだけでいいの?」

「ほかに望むことはない。三年前からずっと」

 額にキスが落ちて、目尻へと唇が滑っていった。滲んだ涙をすくい取ったかと思うと、今度は頬をくすぐるようになぞってくる。

 大きな手が私を安心させるように撫でてくれていた。もう片方の手で握られながら、近付く唇に私の方からキスを贈る。

 そうしたことで、ついに自分の望みを口に出せた。

「――私と、本当の家族になってください」

 涼さんは私のキスを受けて、少し笑った。

「もうなっているだろう?」

 予想していたのとは違う答えが返ってきて、痺れるようにじんとする。

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