捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「今日、鳴の保育園にお迎えを頼んでもいいかな。ちょっと残らなきゃいけなさそうで。あ、でも忙しかったら無理にとは言わないから――」

『わかった。鳴のことは任せておけ』

「あ、うん。ありがとう……?」

 思いがけずあっさり承諾されてちょっと驚いてしまった。ほぼ無理だろうとだめもとでの電話だったからである。

 家ではあまりそうした素振りを見せないけれど、涼さんは大企業の社長だ。一秒でいくら稼いでいるのかと思われるほどの大金を動かし、当然忙しさも私の非ではない。なるべく一緒に過ごす時間を増やそうと努力してくれているのは知っている。でも、まさか保育園のお迎えをそんなに簡単に受けてもらえるとは思っていなかった。

「えっと、本当に平気?」

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