捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
『問題があったらそう言っている。お前は? 迎えに行かなくていいのか?』

「うん、大丈夫。ありがとうね」

『……なるべく早く帰ってこい』

「え? うん」

 妙な間があったような気がした。そこで電話の向こうから男性の声が聞こえ、忙しいことを思い出し通話を終える。きっと秘書か誰かの声だったのだろう。

「お迎え、大丈夫だった?」

 お茶を運んできた芽衣子が、デスクにふたつマグカップを置く。ちょっと濃い目の緑茶だ。少し渋いのが芽衣子の好みらしい。

「うん、おかげさまで」

「よかった。それならゆっくりできるわね」

「ええ……?」

 はい、とどっさり書類を手渡される。

「これ、ファイル分け手伝って?」

「こういうのってその辺の社員に触らせちゃいけないものなんじゃないの……?」

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