捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 この人はいつもベッドの上だと私の話を最後まで聞いてくれない。誤魔化し方がうますぎて、私もすぐ流されてしまう。

「あのね、涼さん」

「あとにしろ」

「違うの、プレゼントのこと」

 また流されそうになって慌てて止める。

「すごくうれしいから、もう一回ありがとうって言わせて」

「身体で返してくれればいい」

「それはまあ……うん」

 あまりにも直球すぎて恥ずかしくなる。言葉通りの意味になるのは間違いない。

「指輪のことも、改めてありがとう。前にもらったとき……うれしかったけど、ちょっと悲しかったから」

「そうなのか」

「ずっと既製品だと思ってたし、渡し方もぞんざいだったし……。特別なものじゃないんだなって」

「俺がお前に特別なもの以外を贈るわけがないだろう」

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