捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
けれど、予定として聞いていた時間を過ぎても呼び出されることはなかった。
さすがに確認した方がいいだろうかと立ち上がりかけたところで、勢いよくドアが開く。
結婚式直前だとは思えない勢いで入ってきたプランナーはひどく息を切らせていた。
「あ、の」
私を見たその顔が、くっと複雑な――泣きそうな顔に歪む。
嫌な予感がする――。
なにを言われても冷静でいようと、膝の上で手を握り締めた。
そんな私に彼女は蒼白な顔で告げる。
――新郎がいなくなった、と。